いびきは男性特有のものではありません。むしろ女性の方にいびきを恥ずかしいと感じる感情が強く、深刻な悩みとなっています。
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最近の研究ではいびき・睡眠時無呼吸症状をもつ人口も男女比が２：１となっています。女性のいびきはそれほど珍しい話ではありません。
では女性のいびきにはどんな原因があるのでしょうか？そこには女性特有の「ホルモン」が関係していました。
女性は女性ホルモンの影響でいびきをかきにくい
若い女性はいびきをかかないのには、女性ホルモンが関係しています。女性ホルモンは舌を支える筋肉（オトガイ筋）を緊張させる作用があるからです。
そのため寝ている間にも舌は気道に落ち込みにくく気道が拡がりやすいです。
しかし、50歳前後にもなってくると閉経などによる影響で女性ホルモンが減少してきます。また、加齢の影響では気道の筋肉も衰えてしまうことでいびきが起きやすくなってしまいます。
女性はもともと骨格的に気道が狭くなりやすいこともあります。40～50代になると突然いびきをかくようになってくる女性は多いです。
また、加齢による代謝低下のために肥満気味になってくることも原因のひとつです。首回りの脂肪など気道を圧迫して狭くなっています。
特に女性に多いのが「扁桃や口蓋垂が大きすぎる」せい
ときどき若くスリムな女性でもいびきをかくこともあります。これは鼻腔や上気道がいびきをかきやすい構造になっている可能性があります。
原因として鼻腔が狭い、口蓋垂や扁桃腺が大きい、軟口蓋の位置が悪くなっているためです。気になったときには耳鼻咽喉科やいびき外来で詳しく診てもらうことが必要です。
女性のいびきや無呼吸症候群は男性とは少し違っている点があります。男性のいびきは「大きないびき」「呼吸の中断」「日中の耐えがたい眠気」などがあります。
女性の場合には、「不眠症」「疲労感」「起床時の頭痛」「集中力の低下」「イライラ」「鬱や不安感」などをともないます。女性の場合、更年期障害の症状に似ているので誤診されることもあります。
いびきや無呼吸症状があれば睡眠時無呼吸症候群の可能性もあります。
耳鼻咽喉科で診察を受けてみる
いびきを人に相談できず、深刻に悩んでいる方は少なくありません。とくに若い女性の場合、隣に寝ている人に迷惑をかけてしまい、旅行にも行きずらいといった悩みは多いです。
そして「自分のいびきの程度としても自分ではわからない」というのが普通なので、自分だけで悩んでしまわず、一度病院で診てもらうことも必要です。
なぜなら、いびきは睡眠時無呼吸症候群を疑う最初の症状だからです。いびきをかくことを常に人から指摘されているようであれば注意が必要です。
これは寝ている間にも上気道が狭くなっていることを示すサインでもあるからです。
呼吸する量が低下したり（低呼吸）、完全に閉塞（無呼吸）といわれる状態になることもあります。いびきは「うるさいだけ」と甘くみずに、何か病気が隠れている可能性もあり、病院で客観的に調べてみることが必要です。
受診する場合には、「どんなときにどのうようないびきをかくか整理しておく」ことがおすすめです。それは花粉症の季節に多いとか、お酒を飲んだとき、仰向けで寝ているときなど特徴的なことがあれば受診時に伝えるようにしましょう。
女性は50代から多くなる
女性は50代からいびきをかくことが多くなるといわれています。なぜ、50代からいびきが出やすくなるのかというと、それは女性には女性ホルモンが関係しているからです。
また、今まではいびきで受診する方は「恥ずかしい」といった理由から少なかったですが、最近では受診をすすめることや、いびきの原因、簡単な改善方法などが紹介されるようになりました。
50代でいびきに悩む方の症状では「朝起きたときの疲労感」や「日中にぼーっとすること」、「慢性的な昼間の眠気」があります。
これは、いびきがでると気道が狭くなって、脳が酸素不足の状態になることが原因です。つまり、睡眠ホルモン分泌が減少してしまい、深い眠りにつけない状態になっているからです。
いびきをかいている時点では脳はあまりよく眠れていないということを現しています。
まとめ
いびきにはいくつかの原因がありますが、女性の場合は「鼻腔が狭い」、「口蓋垂や扁桃腺が大きい」、「軟口蓋の位置が悪い」などから発生するようです。
また歳を重ねるごとに女性ホルモンの分泌が少なくなり、いびきをかきやすくなります。
今までいびきをかかずにいたのが急にかくようになった方は、一度耳鼻咽喉科で診察を受けてみるのも良いかもしれませんね。