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テクニカルVSファンダメンタルズ分析、どちらが有効なのかについてちょっと解説してみる

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テクニカル分析とファンダメンタルズ分析どっちが良いの?

 

FXに限らず金融商品をトレードしていて必ずぶち当たる壁、それは「テクニカルを意識したほうがいいのか、それともファンダメンタルズか」ということ。

 

上がるのか下がるのかという投資の仕方ではただの丁半博打。何かしら根拠を持ってトレードに入りたいと思うのが心情で、それが前提にないと再現性もないので長期間の投資はできずマーケットから退場してしまうことでしょう。

そのため、ひとつあるいは複数の分析手段を用いて買いなのか売りなのかを判断していくことになりますが、テクニカルとファンダメンタルズ、一体どちらに軍配が上がるのでしょうか?

それぞれの考え方と有効性、そして用いるのに適しているタイミングなどについてまとめてみました。







テクニカル分析とは

相場にもよりますが、チャートは「レンジ7割・トレンド3割」といわれています。ほとんどの時間帯は価格変動も小さくじっとしているものの、いざ動き出したらあっという間に一方方向へ動き出すという性質があります。

一体なぜこのような動きになるのでしょうか?

 

答えは「参加者が全員で綱引きをしているから」です。

投資家は皆さん「勝ちたい」と思っています。負けたいなぁなんて稀有な人もいるかも知れませんが、少なくともボクのまわりにはいません。余剰金を投資に充てている人もいるので対して儲けが出なくても良いと思っている方もいるかも知れませんが、お金が減ることを喜びに感じる人など皆無でしょう。

それぞれに思惑があり、「そろそろ上がりそうだな」とか「いやいやここはさらに下がるでしょ」と買いと売りどちらかに投資しています。また、利益確定や損切りによる決済で反対注文を出しているプレーヤーもいます。

様々な思いによって相場は上下していますが、言うなればこれは「買いと売りの引っ張り合い」でもあります。参加者の人数や投資額が拮抗しているときは同じ場所を行ったり来たりしますが、誰かが「あぁ、もう疲れたよ」と相場から離脱をするとバランスが崩れます。

それを見た他のプレーヤーが「ならばワタクシが助けに参りましょう」と支えてくれる場合もありますし、「チャンス到来!一気に引っ張ろうぜ」と優勢なほうに乗っかってきたりします。

 

では、投資家の皆さんはこういった綱引きの状況を何で判断しているのでしょうか?それはチャートです。

判断基準が十人十色であるように、チャートでの綱引きを優勢かどうか、または反撃してくるのかどうかを判断する方法も多岐に渡ります。その方法が「テクニカル分析」です。

テクニカル分析では

  • トレンド指標
  • オシレータ指標

があります。さきほども触れたように、相場は一度トレンドが発生すると大きな波となることがよくあります。こういったトレンドにいち早く飛び乗るための手段のひとつが「トレンド指標」を用いた分析ほうほうです。

オシレータ指標は主に「相場の買われ過ぎ・売られ過ぎを判断」する分析で、過去の相場を基に計算されます。

簡単にまとめると「トレンド指標=順張り」「オシレータ指標=逆張り」となります。

 

ファンダメンタルズ分析とは

テクニカル分析の判断基準が「チャートの動きまたはボリューム」なのに対し、ファンダメンタルズ分析では出来事に対して相場がどう動くかを判断する手法です。

 

メジャーなのが毎月第1週の金曜日に発表される「アメリカ雇用統計」です。雇用というぐらいですから、失業率や雇用者数などが発表されるので「アメリカの実体経済を反映する指標」と考えられ、マーケットに大きなインパクトを残します。

雇用統計の発表が近づいてくるとアナリストたちが発表数値の予想をしてきますが、これが全然当たりません。

たとえば2018年4月(発表は5月)の雇用統計では、

  • 失業率:予想4.0%、結果3.9%
  • 雇用者:19.2万人、結果16.4万人

まあ失業率はいいとして、雇用者数(非農業部門雇用者数)は3万人近くも違います。予想を鵜呑みにしていた投資家たちの心境としてはどうでしょうか?「こりゃマズい!急いで撤退だ」となりますよね。

実際に発表された結果が政府の思惑通りであったとしても、マーケットの反応は「予想と結果の乖離」で判断されることが多く、上記のような結果であれば相場は下がることの方が多いですね。

 

また要人の発言などにも注目が集まります。

発言といえばトランプ大統領ですが、彼がちょこっとTwitterにつぶやくだけで相場はてんやわんやします。「北朝鮮ガー」と言い始めた時はリスクオフ(リスク回避)目的で投資したお金を安全資産に移す動きが見られたり、米朝首脳会談を行うと発表すればリスクオン(リスクを取る)となりマーケットにお金が戻ってきます。

 

このように各国の経済状態や要人の発言などに注目して投資する手法を「ファンダメンタルズ分析」といいます。




どっちが良い?は愚問

さて、ここで論争が始まります。冒頭の「テクニカルとファンダメンタルズ」問題ですね。

ここまで読んでもらえれば分かると思いますが「どっちも重要に決まってる」というのが正解です。

 

いうなれば、テクニカルは内的要因・ファンダメンタルズは外的要因です(解釈としての例え)です。

店舗を構えて経営されている方には共感してもらえると思いますが、とりあえずのライバルは近所の競合店ですよね。でも少子化による顧客の減少や消費増税などの問題はどうしようもないことです。

ビジネスモデルを変えるなどの施策を迫られることもあります。

 

このようにテクニカル、ファンダメンタルズどちらに優位性があるのかという考えは捨て去り、常に新しい情報を取り入れながら、かつ綱引きで有利なほうに乗るというのが賢い投資手法といえるでしょう。

 

どうやってトレードに活かせばいいの?

ではテクニカル分析とファンダメンタルズ分析を活かしたトレードについて紹介します。

大きく考えるとこのようになります。

  • テクニカル分析:短期~中期
  • ファンダメンタルズ分析:長期

テクニカル分析だけに重心を置いていては近視眼的で大きなトレンドを見極めることができない場合が多く、反対にファンダメンタルズ分析だけでは目の前の利益を逃すことになりがちです。

まずはファンダメンタルズ分析で大きな流れを掴み、テクニカル分析でトレードを行うのがひとつの王道です。

 

ただし、さきほども言いましたが要人発言や大きな指標の発表には十分注意しましょう。

これまでのトレンドをひっくり返すほどのインパクトがありますので、ニュースや指標発表の時間などは常にチェックしておくと良いです。

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