ボクは2015年末に長年勤めた会社を退職し約1年間フリーランスで生計を立てた後、今年(2017年)の初めに友人と起業をしました。
知識もコネもなく、しかも「生計を立てた」とは言ってもギリギリの生活を送る日々でしたが、それでも起業にこぎつけることができたのは、先人たちが不遇の時代を送りながら、それでも負けずに自分を信じてやり続けた壮大なドラマを書籍や映画などで知ることができ、自分自身を勇気付けて奮い立たせることができたからです。
人生は輪廻転生とかでもない限り1回きりで、これまで色んな選択肢があったのにもかかわらず、自分は今の道を選んで生活しています。
「もし、あの時の選択肢が違っていたらどんな人生だったんだろう?」
あくまでも可能性のお話ですが、もしあなたが学生時代に起業していたなら今の人生は大幅に変わっていて、もしかすると偉人たちのような人生を送っていたかもしれません。
今回は「これから起業を考えている人」に向けて、起業したボクが共感した「起業ドラマ・映画」5選をまとめてみました。
ぜひご覧ください。
起業の苦悩が詰まっている「シリコンバレー」
IT業界の中枢が集まる「シリコンバレー」での起業物語で、2017年7月現在シーズン4がスタートしています。
このドラマ、毎回苦悩の連続で例えば会社名を決めるのにも一苦労。
技術者(オタク)が揃っている反面、エンドユーザーの気持ちが分からないところや、お金儲けと自分が成し遂げたい大目標に挟まれ苦悩する姿は非常に共感します。
また、主人公のチームは皆一癖も二癖もあり、善悪関係なく我が道を行くヤツだったり、とにかく自分を大きく見せようとするヤツがいたりと、IT会社の物語ですが「ヒューマンドラマ」の色合いが非常に強いです。
とにかくテンションが上がる「ウルフ・オブ・ウォールストリート」
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」はレオナルド・ディカプリオの名演技が光る「株屋さん」の映画です。
起業間もなく全然利益が出ない頃に観てテンションがMAXになったのを覚えています。
主人公は凄腕営業マンとして、本来は価値のないモノもガンガン売りまくって、若くして億万長者になります。
凄いのがその私生活。
大豪邸の自宅にヘリで帰ってきたり、だだっ広いオフィスでは社員全員が乱痴気騒ぎ、自前の特大クルーザーで航海士の言うことも聞かず嵐の中に突っ込んでいって難破するなど、もうとにかく狂ってます。
観た後に知ってびっくりしたんですが、これ「実在する人物」を描いたストーリーです。
決して彼のようにはなりたいとは思いませんが、突き抜けるために必要なのは何か?ということを思い知らされた映画です。
お金に縛られるな!「ソーシャル・ネットワーク」
次に紹介するのは、Facebookの創始者マーク・ザッカーバーグを題材にした映画「ソーシャル・ネットワーク」です。
フィクションなので実物との現実離れがかなり大きいと一部批評されているようですが、問題はそこではなく「何が胸を打ったか」です。
ボクはFacebookの誕生秘話でも会社がいかにして大きくなっていったかはあまり興味がありませんでしたが、主人公のマークが「大金持ちなのに寂しい思いをしている」ことに心を揺さぶられました。
以前勤めていた会社は同業他社に比べかなりの好待遇で、ボクも同世代の人より多くお給料を頂いていました。
もちろん仕事を一生懸命頑張ったからというのもありますが、ある日思います。
「お金はある程度手にすることができたけど心が満たされていない」と。
従事していた仕事は不定休で、休みの予定を返上することも多々ありました。
当然旧友との約束もキャンセルすることが多くなり、気づけば心から話し合える仲間がかなり少なくなっていました。
その後考え方を改めて、今までの業務ペースもギアを落とし、自分の私生活を見直すことで前よりもハッピーになりましたが、起業した今まさにその過ちを繰り返そうとしている自分に気づき「ハッ」としました。
そんなことを思い出させてくれた映画です。
いざという時にプライドが邪魔をする「カンパニー・メン」
エリートビジネスマンがリーマン・ショックによりリストラされ、その後の悪戦苦闘ぶりが描かれている映画「カンパニー・メン」
みんなが上を向いているパッケージは哀愁さを感じさせます。
主人公は高給取りでしたが、解雇後も裕福な生活を手放したくない気持ちから、生活水準を下げようとしません。
また、失業している彼を見かねた妻のお兄さんが仕事を回してくれますが、プライドが邪魔をしてせっかくのオファーを蹴ってしまいます。
冒頭でも説明しましたが、ボクは今でこそ少しずつ軌道に乗ってきてはいるものの、それこそ退職からしばらくの間は「文無し」どころか新しいビジネスへの投資で毎月数十万レベルの赤字でした。
そんな状況にもかかわらず、現実に減り続けている銀行口座のお金を他人事のように感じ、何が何でも稼いでやる!って気持ちになれなかったんですよね。
今になって振り返ってみると、ボクもプライドが邪魔して「良い仕事をしよう!」とか、なんかカッコつけていたような気がします。
「そんなこと言ってる暇があったら行動しろ!」
と当時の自分に言いたくなりますし、起業当初は誰しも辛い状況に必ず追い込まれますから、そんな時はこの映画を観てほしいです。
次世代検索エンジンを作る「アキハバラ@DEEP」
最後に紹介するのは邦画の「アキハバラ@DEEP」です。
オタク・ニートたちが次世代型検索エンジン「クルーク」を開発し、それを大企業に狙われ戦っていくストーリー。
原作は小説で、そこからマンガやテレビドラマ、そして映画化まで漕ぎ着けました。
ボクはマンガを先に読みましたが、将来自分が起業するときのことをアキハバラ@DEEPに思い描いていたように、今思えば感じます。
検索エンジンといえばgoogleですが、将来的には「データベースはgoogle」「知識は人間」のような検索エンジンが出てきて、会話をしながら提案や時には却下されたりするような未来が訪れるのでしょうか。
起業したボクが共感した映画・ドラマのまとめ
今回この記事を書くにあたって、自分の記憶だけでなく他にも良い映画がないか色々と検索しましたが、その時に気づいたのが「起業をテーマにした邦画が少なすぎる!」ということです。
日本でも「陽はまた昇る」や「ハゲタカ」、「県庁の星」などビジネスに通ずるヒット映画はいくつかありますが、起業家にスポットを当てた映画・ドラマは本当に少ないです。
理不尽な上司や派閥渦巻く会社の中で逆風に負けず出世していく姿は、サラリーマン視聴者が自分の姿と重ねることができて良いと思いますが、これからの時代、日本でもどんどん優秀な起業家が誕生するためには、もっと「起業家の映画やドラマ」が増えてくる必要があるなぁと感じました。
次世代に活躍する起業家のタマゴたちが、そう言った映画(できれば邦画の方がいいよね)を観て、将来の日本が今より楽しくなると嬉しいです。