WBCで一躍有名になった読売ジャイアンツの小林誠司選手。
2016年シーズンの打率.204は、セリーグの規定打席到達選手の中で最下位という褒められない成績を残しているにもかかわらず、WBCではポコポコと打ちまくり、1次・2次ラウンドの成績は打率.444と大爆発!
でも、そもそもシーズン中の低迷した打撃で侍JAPANに選ばれたわけではなく、彼はキャッチャーという難しいポジションで活躍していたからに他ならないんですよね。
キャッチャーの仕事で一番重要なのは紛れもなく「配球」ですが、その他にもキャッチングや盗塁を阻止するための肩も必要です。
小林選手はピッチャーが投げる球を受け取ってから送球したボールが2塁へ到達するまでの秒数が1.9秒という強肩の持ち主で、昨年の盗塁阻止率もセリーグトップの数字を残しています。
でも、こんなデータってどう取ればいいんだろうか?
ピッチャーの投球ならテレビ中継でスピードガン表示が出るので分かりますが、キャッチャーのスローイングやバッターの1塁までの到達スピード、ピッチャーのセットポジション秒数など、気になればキリがありません。
そんな野球マニアにもってこいのスマホアプリがありました。
その名も「鹿取ウオッチ」
この鹿取ウオッチがどれだけ凄いのか、実際に使ってみましたので紹介してみます。
鹿取ウオッチとは?
野球好きならば誰もが「おぉ!」という名前が付いていますが、その名の通り読売ジャイアンツで活躍したMr.サイドスロー「鹿取義隆」さんが監修したストップウォッチ(アプリ)です。
開発されたのが2012年でiPhoneにしか対応していませんが、その機能はめちゃくちゃ充実しています。
ピッチャーの球速が測れる
鹿取ウオッチのすごいところは「ストップウォッチなのに球速も測れる」ところです。
通常、球速を測るときはピッチャーの真後ろからスピードガンを構えて計測するのですが、鹿取ウオッチの場合は単純にピッチャーが球を離してからキャッチャーのミットに到達するまでを計測し、そこから球速を導いてくれます。
もちろんピッチャーがリリースする瞬間にスタートしなければなりませんので多少の慣れは必要ですが、草野球などで楽しんでいる方々にはとても良いアプリのように感じます。
ちなみに大谷翔平投手が日本最速の165キロをマークした動画で検証してみましたが、どうやら鹿取ウオッチは最高160キロまでしか計測できないみたいです。
2012年の段階では165キロを投げるピッチャーが日本から出てくるなんて予想していなかったんでしょうね。
一塁への駈け抜けタイムも測れる
計測モードを「Run」にすればバッターが打ってから一塁に到達するまでの秒数を計測することができます。
イチロー選手のような超一流選手ともなれば、バットにボールが当たってから1塁に到達するまで4秒を切ってきます。
WBCのキューバチームに「走りながら打つ」選手がいましたよね。
あの選手は一塁まで何秒で到達するのか?なんて疑問にも答えることが可能です。
この動画を参考にして計測したところ、なんと3.51秒というとんでもない記録でした!
2016年のメジャー選手で一番早い選手が3.8秒台ですからどれだけ早いんだって話です。
ちなみに時速28kmのスピードです。
ピッチャーのクイックモーションにも対応
よく野球の国際試合で監督やコーチが相手ピッチャーが投球する際にストップウォッチを使って計測しているのを見かけます。
これは自軍の選手の走力とピッチャーのクイックモーション&キャッチャーのスローイング、どちらが早いかを計測しているんです。
クイックモーションは「Quick」モードにして計測することができます。
一般的に投球動作に入ってからキャッチャーが捕球するまでが1.3秒以内で一流と言われていますが、球界一のクイックモーションと言われる横浜DeNAベイスターズの久保康友投手で計測してみました。
計測結果は1.119秒というとんでもない記録でした。
これではランナーも走る気が失せますね。
もちろんキャッチャーの二塁送球も
では鹿取ウオッチを使って小林誠司選手のスローイングを実際に計測してみます。
計測に使用したのは以下のYouTube動画です。
この動画内に小林選手が二塁へ送球した回数は合計で5回。
全ての送球を鹿取ウオッチを使用して計測、その平均秒数を算出してみます。
まず1回目。
2回目。
3回目。
4回目。
5回目。
5回の計測で平均1.93504秒という結果が出ました。
やはりというかピッチャーが変化球を低めに投げた場合、投球動作がやや大きくなるのでタイムとしては少し悪くなりますが、それでも全5回とも2秒を切っているので強肩ぶりが伺えます。
番外編 こんなことにも使えます
WBCを観ていて「牧田投手ってキャッチャーからボールを受け取ってから次の投球まですごく早い!」なんて思いませんでした?
それもそのはず。
上記の一連の動きを「投球間隔」と呼びますが、このスピードが早ければ早いほど試合のテンポも早くなります。
2016年の投球間隔ランキング(ランナーなし)では牧田投手が8.1秒で堂々の第1位です。
投手名 | 投球間隔 | チーム名 |
牧田 和久 | 8.1秒 | 埼玉西武ライオンズ |
バルデス | 8.5秒 | 中日ドラゴンズ |
小石 博孝 | 9.3秒 | 埼玉西武ライオンズ |
田口 麗斗 | 10.5秒 | 読売ジャイアンツ |
メンドーサ | 10.5秒 | 北海道日本ハムファイターズ |
バルデスの方が早いと思っていましたが、牧田投手の方が早かったんですね。
鹿取ウオッチはこんなことにも使えますし、他にも「打球の滞在時間」なども計測することができます。
まとめ
2016年はまさに野球の年です!
野球世界一を決定する「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」から始まり「春の高校野球選手権」、そして間髪入れずに「プロ野球開幕」という、野球ファンにとっては見るだけで忙しいシーズンです。
いつものように普通に観戦するのも良いですが、鹿取ウオッチのようなマニアックなアプリを使って観戦すると、いつもと違った楽しみ方ができるかもしれませんね♩
また、草野球を楽しんでいる方や中学・高校の野球部監督・コーチにも是非使ってみてほしいアプリです。
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