プロ野球

2番に強打者を置くことのメリットとデメリットってなに?果たして得点力は上がったのか?実際に検証してみた

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横浜DeNAベイスターズが「8番ピッチャー」を採用して打線が好調です。

横浜DeNAベイスターズの8番投手(ピッチャー)という打順。効果はあるのか?結果を検証してみた

  どうもベイファンのねたほです。 ついに2017年のセ・パ交流戦が5月30から開幕しますが、セリーグは阪神の活躍以外はある程度去年の順位に近い動きをしていて、ベイファンとしては少しもどかし ...

 

メジャーリーグではひとつの選択肢として以前から採用されていたものの、日本野球界では「なぜなのか?」という疑問の方が先行し、ややネガティブな意見もネットでは出回っていました。

それでも就任2年目のラミレス監督は5月以降この打順を守り続け、8月現在勝率5割を超え順位も3位と好位置につけています。

 

さて、この「8番投手」という打順。

色々と調べていくと、メジャーリーグ屈指の監督「ジョー・マドン」氏に辿り着きます。

マドン監督は、昨年(2016年)カブスを108年ぶりのワールドシリーズ優勝に導いたことで知っている方も多いかと思いますが、非常にやり手で監督としては歴代再考の年俸を手にしています(5年2500万ドル)。

 

正確な情報は出てきませんでしたが、「8番投手」を戦術として主に使っていたのは、メジャー監督年数第2位・勝利数第3位のトニー・ラルーサ監督でした。

マドン氏はラルーサ氏に直接電話をかけ、「なぜ8番投手なのか?」を質問し以降マドン采配でことごとく採用されています。

 

さらにはそれだけに留まらず、パワーヒッターであるシュワーバーを2番に起用するなど、他チームからは理解するのが難しい打順を組んでおり、「強打者をクリーンナップに揃える」という従来の野球の常識を覆しています。

 

果たしてこの「2番強打者」という打順は日本のプロ野球界の常識を覆すことができるのでしょうか?







 

2番強打者を採用したプロ野球球団

 

今年(2017年)、2番強打者を採用しているのは読売ジャイアンツと東北楽天ゴールデンイーグルスです。

読売は7月12日の試合からマギーを2番に入れており、楽天は開幕からペゲーロを2番に入れていたものの7月26日からは聖澤がメインとなっています。

なお8番投手を採用している横浜も、当初は「2番梶谷選手」を入れていましたが梶谷選手の調子が上がらず、現在は2番打者を固定しきれていません。

 

それではそれぞれの球団がどのように数値が変わっているのか見ていきましょう。

 

読売ジャイアンツ×2番マギー

試合数 得点/イニング 勝敗
7月11日まで 81 0.374 37勝44敗0分
7月12日から 24 0.542 13勝10敗1分

※2017年8月13日終了時点

 

まずは読売から。

 

2番マギーを起用するまでの81試合では717イニング中268得点あり、1イニング当たりの得点は0.374点となっていますが、7月12日以降では0.542点(214イニング116得点)となっており、明らかに得点力不足が解消されています。

また必然的に勝率も高くなり、前後では0.457から0.565へ改善されています。

 

先日も6試合連続3HR以上というプロ野球記録も達成しましたし、最近は良く打ってるイメージです。

 

楽天イーグルス×2番ペゲーロ

試合数 得点/イニング 勝敗
7月25日まで 81 382 731 0.523 55勝25敗1分
7月26日から 16 58 143 0.406 8勝8敗0分

※2017年8月13日終了時点

 

続いて楽天。

 

7月25日までの81試合では731イニング中382得点あり、1イニング当たりの得点は0.523点でしたが、7月26日以降は0.406点(143イニング58得点)と、1試合当たり1点以上の差が開いています。

また貯金30をつくった7月25日までとは明らかにペースが落ち、8勝8敗のイーブンになってしまっています。

 

ペゲーロの負傷離脱はかなり大きかったのではないかと推測しますが、8月16日に復帰予定とのことですので楽天ファンはほっと一息ですね。

 

※これらすべて個人的に計算したので少し数字に過ちがあるかもしれませんので、もし見つけた方はコメントにご記載いただけると助かります。




 

他球団の2番打者はどうなの?

 

2番に良い打者を入れると得点力が上がるのはなんとなくわかりますが、「強打者」という概念は少しあやふやですよね。

そこで他球団の2番打者を見ていきたいと思います。

 

選手名 打率 出塁率 長打率
マギー(読売) .318 .383 .516
ペゲーロ(楽天) .307 .381 .545
菊池(広島) .285 .321 .428
上本(阪神) .260 .334 .375
今宮(福岡) .276 .331 .411
源田(西武) .271 .329 .359

※2017年8月13日終了時点

 

読売・楽天に加え、現在2番打者が固定されている球団の選手をピックアップしてみました。

マギー・ペゲーロと比較すると数字がやや劣りますが、それでも立派な成績を残しています。

 

そして奇しくも「2番打者が固定されている=上位チーム」という方程式が成り立ちました。

やはり2番打者というポジションは非常に重要であることが分かります。

 

西武の源田選手は現在盗塁王ですし、従来なら「1番打者」として考えられていたかもしれませんが、2番打者に据えることで西武の好成績につながっているかもしれませんね。

 

2番強打者のまとめ

 

これまで「1番は足が速い選手」とか「4番は一番ホームランを量産してくれる選手」などと考えがちでしたが、いつの間にかそういった固定概念がついてしまっていたように思います。

 

冒頭に出てきたジョー・マドン監督は、8番に投手を置くことのひとつの理由として「将来有望な選手を敬遠から守るため」とも言っています。

 

たとえば中日の京田選手・西武の源田選手などのルーキーは、どうしても「8番打者」となりがちですよね。

でもチャンスで回ってきたときに次の打者が投手だと、せっかく良い経験を積むことができる機会を敬遠で逃してしまうことにもつながってきます。

 

こういった考え方もあるんだな~、と思いながら今回の記事を書いてみました。

 

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