みなさんグリッドトレードって知っていますか?
FXに限らず株式や先物取引などにも用いられる手法のひとつで、相場に対して一定間隔の値幅でポジションを持つ(または決済する)投資方法です。
チャートに等間隔に目盛り線(グリッド)を引くことから「グリッドトレード」と呼ばれており、古くから存在します。
一昔前まではアナログで買ったり売ったりと忙しく、メタトレーダーなどを用いてプログラミング設定をしないとできなかった投資手法ですが、ここ数年FX会社の頑張りによって、特に知識が無くてもPC画面の説明通りに設定するだけで自動売買をしてくれるシステムなどもあり、最近ではメジャーな投資手法となってきました。
FX会社で一番メジャーなのが「外為オンラインのiサイクル注文」ですね。
今回は、iサイクル注文を両建てして7か月間放置した結果をドドン!と公開してみようと思います。 iサイクル注文の詳しい説明や両建てについても解説していますので、FXに興味のある方はぜひ読み進めてみてください。
iサイクル注文とは?
iサイクル注文とは大島優子さんのCMでおなじみの外為オンラインに口座を開設している人が使えるシステムで、少ない利益をガンガン取っていくグリッドトレードの進化系です。
もともとあったサイクル注文をさらにバージョンアップした自動売買システムで、一度設定すればあとは何の操作もいりません。
iサイクル注文のメリット
まずは「想定変動幅」を設定(米ドル円ならば100~120円など)し、均等に注文を仕掛けます。
もし20本の注文ならば100円・101円・102円…といった具合です。
たとえば105.1円のときに注文を設定したとしたら、
- 105円に下がったら買い注文がヒット
- 104円に下がるともう1本ヒット
- 再び105円に上がったら104円で買った注文は決済
- 106円に上がると105円で買った注文は決済
のように自動で売買が行われるため、普段忙しい方も手軽に投資を始められます。
また、FXはアメリカ経済で活発に取引されていることから、日本の深夜帯(アメリカとの時差はサマータイムで13時間)に良く動くことがあります。
FXは相場が動かないと利益が出ません(スワップポイントは除く)ので、深夜帯での取引ができるという点は自動売買ならではのメリットです。
iサイクル注文のデメリット
iサイクル注文のデメリットはズバリ「手数料」でしょう。
FXはスプレッドという手数料のようなもの(詳細には手数料ではない)があり、たとえば110円の米ドル円を買う時に実際には110.003円など保有した時点でやや損をします。
iサイクル注文はそれとは違う「本当の意味での手数料」として1回の注文で往復分持って行かれます。
現に後述するiサイクル注文の両建てでは、462回の新規・決済取引に対し、9,240円の手数料を取られています。
メタトレーダーなどシステムを構築できる方であれば同様の売買を手数料なしで実現できますが、それには専門の知識やVPSという仮想サーバーの構築にかかる料金も発生します。
したがってデメリットではありますが、グリッドトレードを手軽に行うための必要経費とも取ることができます。
両建てとは?
両建てとは同一商品において「買いと売り」の双方向の注文を出すことです。
一見意味のない行動のように見えますが、そこには投資家の意図が隠されています。
両建てのメリット
両建てを行うことのメリットは、同一金額の注文を出すことで一時的に損益をロックさせることです。
買い注文を出していたところ、想定外のリスクが発生したときの資産防衛手段ともいえます。
両建てのデメリット
損益をロックすることで「資産が動かない」のが一番のデメリットです。
また、資金が倍かかることも大きなデメリットです。
なぜ両建てをするのか
両建てのメリット・デメリットを上げてみましたが、iサイクル注文での両建てとなると少し意味が変わってきます。
前述したようにiサイクル注文は「設定した値幅内で動く」ことにより細かく利益を稼ぐ手法で、買い注文を出していたなら「下がって上がると利益」になります。
両建てをすることによって「下がって上がっても」「上がって下がっても」利益が積み重なるので、利益が積み重なるスピードを倍にすることができます。
また、外為オンラインはMAX方式というものを採用していて、たとえば買い注文で10万円の証拠金が必要であれば同額分の売りは証拠金ゼロで注文することができ、資金に対してのレバレッジを大きくすることができます。
もちろんiサイクル注文の両建てにデメリットがないわけではありません
想定していた値幅を大きく上下することにより、出していた注文がことごとくロスカットされる(反対方向の利益では賄いきれない)ので、万が一金融危機などのタイミングで保有していたら悲惨な目に遭うこともあり得ます。
2017年1月~8月までの結果公開
それではiサイクル注文での両建てを行った結果を公開していきます。
当たり前ですがリアルマネーでの取引結果です。
期間中の米ドル円の動き
2017年1月~現在(9月12日)までの米ドル円チャートです。
118円前後で始まった米ドル円は下げ基調で、その後114円と108円のやや大きめなレンジ相場を形成しています。
ボクが取引を始めたのは1月末でその時の米ドル円は114円付近でしたから、約5円ほどの円高となっています。
月別決済金額
続いて月別の決済金額です。
1月後半からの運用開始であったため1月は決済回数・決済金額ともに少ないですが、その後は平均29回の決済(月平均14,556円)となっています。
2017年 | 決済回数 | 決済金額 |
1月 | 18 | 8,036円 |
2月 | 35 | 17,735円 |
3月 | 36 | 17,898円 |
4月 | 26 | 13,182円 |
5月 | 24 | 12,219円 |
6月 | 28 | 14,018円 |
7月 | 24 | 12,051円 |
8月 | 32 | 14,790円 |
合計 | 223 | 109,929円 |
運用期間220日で、決済金額は10万円オーバーという結果になりました。
データでは取れないのですが、期間中の含み損益は3万円前後で推移し、8月終了時点では34,007円の含み損でした。
年利換算ですさまじい結果に!
50万円の証拠金でスタートしたiサイクル注文の両建てですが、その期間と実現利益は以下の通りです。
- 期間:2017年1月24日~8月31日(220日)
- 利益:75,922円(含み損含む)
これを365日に換算すると、
75,922円÷220日×365日≒125,962円
となるので、年利では
(500,000+125,962)÷500,000×100=125.2
つまり年率25.2%という結果となりました。
外為オンラインのiサイクル注文両建てのまとめ
この記事を書き始めたのが、ちょうど北朝鮮がICBMを発射した直後で、米ドル円相場は一気に3円近くの円高となりました。
その後リスクが少なくなったとみた外国人投資家が買い戻したことで109円台にまで戻ってきましたが、この騒動でもピーク時からは1万円も下がることなく、米ドル円が109円に戻ったことによりむしろ増えました。
FXではテクニカル分析とファンダメンタルズ分析というものがあります。
前者は過去の値動きに対して投資家の心理的要素が働きやすいところを狙う分析手法で、後者は経済や政治的要因を基にした分析手法です。
どちらが良いかは捉える期間などによって変わってきますのでここでは触れませんが、いずれにしても勉強と経験が必要です。
また、相場なんてものは極論を言えば「上がるか下がるか」ですから、どっちに転ぶかなんて予想したところで簡単に裏切られます。
この点、iサイクル注文での両建ては「どのくらいの値幅で動くか」の予想しかしませんので、ある程度大きな変動幅を予想しておけばそこまで大きな失敗にはつながりません。
現にボクが始めたころより5円ほど円高にシフトしていますしね。
最後に、資産を増やすにはそれなりのリスクが伴います。
投資は結局は「自己責任」となりますので、じっくりと考えたうえで行動に移されるのが良いと思います。