先日、アイコスがどこでも吸えるようになる?の記事でも触れましたが、受動喫煙対策から「電子たばこは除外」の流れが本格的になってきました。
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iQOS(アイコス)がどこでも吸えるようになる?大阪で全面解禁か
火を使わず煙による副流煙の心配もない「加熱式電子たばこ」がいよいよ飲食店などで吸えるようになる? そんな喫煙者にとっては嬉しいニュースが飛び込んできました。 大阪府知事の松井一郎氏が「他人の体に影響を ...
まだ本決まりではないですが、いよいよ動きが活発になってきたようです。
アイコスなどの電子たばこは規制対象から除外か?
以下は2月10日の産経ニュースの記事から抜粋しています。
塩崎恭久厚生労働相は10日の閣議後記者会見で、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた受動喫煙の防止強化策に関し、煙が出ない加熱式たばこや、電子たばこなどの新型たばこを、飲食店などでの禁煙の対象から除外する方針を明らかにした。
塩崎氏は新型たばこについて「健康影響に関する今後の研究結果を踏まえた上で検討したい。世界でも研究が始まったばかりで知見の収集に鋭意努めている」と述べた。
厚労省は今国会に飲食店など人が集まる場所での原則禁煙を盛り込んだ健康増進法の改正案を提出する方針。当初は全ての店舗を原則禁煙とする方針だったが、業界などから反発を受けて主に酒類を提供する小規模店は除外する方向で調整を進めている。
出典:産経ニュース
大阪府の松井知事は、1月25日に「アイコスをどこでもOKにしたらいい」と述べています。
松井氏は知事という立場でありながらも同時に愛煙家でもあり、たばこを吸う人と吸わない人の共存ができるようにしていきたいという気持ちが表れていますね。
本当に難しい受動喫煙の防止策
今回、こんなにもメディアに取り上げられている受動喫煙防止策。
なぜこうも大々的に報道されているかというと、やはり東京オリンピック・パラリンピックに向けた政府の対策でしょう。
また日本では昨今、インバウンド政策に力を入れており訪日外国人数は年々増加しており、2016年の訪日外国人数は2400万人を超え2000年から2,000万人近く増えています。
諸外国ではすでに不特定多数が集まる場所や屋内での全面禁煙は当たり前となっており、それを破ると罰則があるのに対し、日本ではまだそういった規則の整備がなされていません。
東京オリンピック開催まであと3年半という短い期間の間に受動喫煙防止策を講じなければ諸外国から叩かれるのは明白で、厚労省では急ぎ健康増進法の改正案を成立させたいという狙いがあります。
でもそこで問題になるのが日本人の喫煙率です。
世界保健機関(WHO)によれば2015年における日本人の喫煙率は33.7%となっております。
それに対しアメリカは19.5%・イギリスは19.9%と、先進国では20%を切り始めているのが現状です。
基本的にアジア圏は喫煙率が高く、韓国で49.8%・中国で47.6%と、日本はアジアの中では低水準となっているものの、先進国と比べると圧倒的に高い喫煙率となっており、受動喫煙の防止策を打つには厳しい環境であるということが伺えます。
受動喫煙防止策で個人飲食店は壊滅する?
そして何より問題となっているのが「個人で営業しているお店」の受動喫煙防止策です。
厚労省が求めている防止策は屋内では原則禁煙、そして屋内で吸う場合には喫煙室を設けることを義務付けようとしています。
前述したように日本の喫煙率はまだまだ高水準であり、3年半後の東京オリンピック開催時に20%を切ることは考えにくい状況です。
大手飲食店ならば喫煙室に多少スペースが取られても営業を継続することは可能ですが、小規模店ではそうもいかず「喫煙者の来店が限りなく少なくなる」ことが容易に想像できます。
こうなってしまうと個人で営業している飲食店などは軒並み売上が大幅ダウンし、閉店を余儀なくされてしまいます。
電子たばこは救世主となるのか?
そこで浮上してきたのが「電子たばこの規制除外案」です。
加熱式電子たばこは煙が発生せず、受動喫煙による被害が大幅に軽減されるとすでに認められており、アイコスだけでも国内200万台以上が出荷されています。
まだまだ世界でも研究が始まったばかりで、どこまで健康被害を抑えられるかは未知数ですが、特に日本では差し迫って対策を講じる必要があるので、諸外国のニーズ(屋内全面禁煙)と日本のニーズ(喫煙率が高水準)の両方を満たすには「電子たばこは受動喫煙防止策の対象外」という結論しかなさそうです。
電子たばこ関連のニュースには注目していきたいですね。