FXや株の話の時に良く出てくる単語で「トレンド・レンジ」という言葉があります。
これはチャートの動きを表す言葉で、「しばらくレンジ相場だったがブレイクしてトレンド相場に入った」などの使い方をします。
これからFXを始めるうえで、今どの相場にいるのか?を把握することで勝率が飛躍的に上がりますので、言葉の意味となぜそういった相場になるのかをしっかりと覚えておきましょう。
レンジ相場とは?
レンジとはある一定の価格を行ったり来たりすることを表します。
上図のように上値と下値の間を、まるで壁があるかのように行き来します。
FXは「レンジ相場が7割」とよく言われます。
つまり大体はレンジで行ったり来たりするのです。
トレンド相場とは?
さきほどは「FXはレンジ相場が7割」と言いましたが、反対に考えれば3割は違う動きをします。
下図はレンジ相場をブレイク(赤マル)してトレンド相場に入った瞬間のチャートです。
レンジ相場をブレイクすると価格は一気に一方方向に動き、「トレンド相場」が形成されます。
「FXの3割はトレンド相場」と言われ、この時は価格変動幅が大きくなりますので「稼ぎ時」とも言われます。
こういったトレンド相場は長期にわたって続くこともありますが、その瞬間を捕まえるのは非常に難しいです。
またレンジ相場をブレイクした!と思ってもダマしの時も良くあります。
なぜレンジ・トレンド相場になるのか
レンジ相場とは、いわば対象の通貨ペアが拮抗している状態です。
通貨は国ごとに違い(欧州連合などのユーロは地域内での単一通貨です)、基本的には「国力が強い=通貨が強い」とみなされ、その国の通貨高となります。
ですが、最近ではどの国も(先進国は特に)輸出による利益をたくさん生み出そうとするので、あえて自国通貨を安くするための政策をしたりします。
たとえば1ドル100円だったのが150円になれば、1000円の商品を輸出して買ってもらえれば500円のプラスになりますよね。
こういった思惑により、国ごとの力関係が拮抗していればレンジ相場になりやすく、ドル円は「THEレンジ相場」といわれるぐらい1ドル100円前後を行き来しています。
逆にトレンドは「その国の政策や経済要因」によって発生しやすくなります。
日本は2012年から続くアベノミクスによって大きな円安となりました。
これは政府主導の円安政策が功を奏した一例で、異次元金融緩和で市場にお金をばらまいたからだといわれています。
しかし最近では、その政策が結果に結びついていないということで、市場からはネガティブにとられ、再度ドル円は110円前後をさまよっています。
このように、国ごとの拮抗が崩れたときに大きなトレンドが発生します。
ブル・ベアってなに?
ブル・ベアとは、相場の強気・弱気を示す言葉です。
ブル(Bull)とは雄牛のことで強気の相場のことを示します。
雄牛が角を下から上へ突き上げる仕草が相場が上がっていく様のように見えることが語源です。
ベア(Bear)とは日本語で熊のことです。
熊が前足を振り下ろす仕草、また頭を下に向けている仕草が相場が下落している様に見えることから弱気の相場のときに使う用語です。
「ブル相場に強い(弱い)」などは「上昇相場に強い(弱い)」という意味と同義になります。
よく経済番組などで「今日のニューヨーク市場はブル派が強気のようです」などといった報道があれば、買いが優勢であるという意味になります。
レンジ・トレンド/ブル・ベアを有効利用する
レンジ・トレンドは相場の動きを示すもので、ブル・ベアは相場の方向を示す用語になります。
トレードを行う際には、対象の通貨ペアがレンジ・トレンド相場であるのか、またブル・ベアどっちの方向に向かっているのかを事前に確認する必要があります。
たとえば「現在レンジ相場でブルだな」と思えば、レンジの上限で戻ってくると考えて売りを行えばいいでしょうし、「トレンド相場でベアだな」と思えばそのまま下がり続けると考えて売りをすることによって、今まで闇雲にトレードしていた時よりは相場の感覚をつかむことができ、自ずと勝率も上がってくると思います。